長野市 三輪にある美しき洋館「信州会館」が、
最期の時を迎えようとしています。
この洋館は およそ90年前に、
地元銀行の頭取の邸宅として建てられました。
頭取が手放した後は、カトリック教会として使用。戦時中は陸軍の官舎に、戦後はCIC本部となりました。
まさに、激動の歴史を生き抜いてきた洋館です。
去年まで、「信州会館」の名で
懐石料理の店として営業もしていましたが、
建物の老朽化に伴い、あろうことか解体されことに・・・
ぐずぐずと躊躇している間に、
玄関の美しいアーチをくぐることは永遠に叶わなくなってしまいました。
ドアが取り払われた玄関からは、
ホールから伸びる大きな階段が垣間見えました。
この重厚な階段を、一段一段 味わいながら上りたかった・・・
解体後、跡地にはマンションが建設されるそうです。
歴史的にも芸術的にも価値の高かった洋館が、
何のためらいもなく簡単に破壊されていくことに、
痛みと、深い悲しみを感じます。
さようなら、信州会館。
「また会う日まで」と言えない、この悲しみ。