2016年4月9日土曜日

Gracias

 
 
庭の水仙が見ごろを迎えています。
すっかり春になりました。
 
せっかくなので、グラオも一緒に写真撮影。
可愛い笑顔の奇跡の一枚が撮れました。
 
 
 
グラちゃんのことをよく「グラオ」呼ばわりしていますが、
グラちゃんの本名はグラシアス(gracias)です。
「グラシアス」はスペイン語で「ありがとう」という意味ですが、
その他に「神の恩恵」という意もあります。
なぜこんな名前かというと・・・
 
実はグラちゃんを飼う前に、
グラちゃんと同じ鳥種のコザクラインコを飼っていました。
名前はマティス。
愛鳥家で有名なフランスの画家マティスに因んで名付けました。
 
私にとって初めての小鳥だったマティスは、
小鳥がどれほど聡明で愛情深く、
愛すべき存在なのかを教えてくれた大切な小鳥でした。
 
実家の父が病で急逝したときも、
マティスは私を慰め、悲しみを癒してくれました。
 
そんなマティスでしたが、
父の死からわずか2カ月で急に死んでしまったのです。
「ペットロス」なんて言葉がありますが、
あの時の感情は、言葉では表せません。
父の死とマティスの死が重なって、悲しみが倍増したように思えました。
 
 
 
 
マティス
 
 
毎日、マティスのことを思って泣いていた時、
息子がホームセンターのペットコーナーで
愛らしいコザクラインコの赤ちゃんを見つけました。
それがグラシアスとの出会いです。
 
マティスと同じ鳥種を、
しかも悲しみが癒える前に迎え入れることに
まったく抵抗がなかったわけではありません。
 
ですが、
離乳食のように柔らかくしてやったエサを
不器用にクチバシにいっぱい付けて食べ、
一口食べては私の顔を見上げる姿に、
大きな慰めを与えられました。
 
それは私にとってはまさに「恩恵」で、
感謝の思いでいっぱいになりました。
「神の恩恵」と「ありがとう」の意を持つ「gracias」という言葉は、
私にとってはこの小鳥にピッタリの言葉なのです。
 
 
ところでグラちゃん・・・ですが、
見た目の可愛らしさとは異なって、その実、非常に凶暴です。
グラに限らずコザクラインコは、
アグレッシブで凶暴な性格の個体が多いのです。
出血するほどひどく噛まれたことも一度や二度ではありません。
 
一方で、非常に愛情深く、片時も離れたがりません。
私が息子を叱ると、一緒になって鳴きわめき、
私が唄うと一緒に唄います。
そして、私の顔を覗き込んでは毛づくろいをしてくれます。
 
凶暴なこともひっくるめて、
愛してやまない大切な小鳥です。