2017年7月3日月曜日

小さな一人旅




閑散とした早朝の駅。

始発前の静かな駅で一人。
ベンチに腰掛け、切符売り場が開くまで
時が過ぎるのを待ちました。



先日、所用で慌ただしく郷里へ帰りました。
平日だったこともあり、
実家には泊まらずにトンボ返りで自宅に戻ることに。

不眠不休の一夜の疲れを身にまとったまま、
ようやく腰を下ろした駅のベンチが冷んやりと心地良く・・・

通勤客でごった返す前の駅は、別世界のように静かでした。





一人で新幹線に乗るのは初めてかしら?
・・・などと考えながらバッグから取り出したのは、本と携帯電話。
今なお、化石のような携帯電話を使い続けています。

最近は本を持ち歩く人なんて少ないのでしょうか。
スマホでインターネットも読書も楽しめますものね。


ところで、
このドクロ柄のラミネート生地のブックカバーは、
息子のランドセルカバーを作った時の残り布で
作ったものです。




そして、
ドクロカバーの中身は、池波正太郎さんの『真田太平記』です。
全12巻のうち、現在、4巻目に突入。
新幹線の轟音を聴きながら、戦国時代へタイムスリップ。





郷里の懐かしい横長の景色が、
ビュンビュンと後ろに流れて行きます。




気が付けば、戦国時代はどこへやら、
疲れ果てて座席に沈み込むようにして眠っていました。
携帯電話の目覚しにも気が付かないくらいに・・・


車内アナウンスのお陰で、
なんとか乗り過ごさずに降りられましたが、
目を閉じる直前まで広がっていた郷里の平野は、
跡形もなく消え失せていて、なんだか少し寂しい心持になりました。




改札口まで迎えに来てくれた夫と息子の顔を見たときは、
不思議なことに、久方ぶりに会うような新鮮な感じがしました。
電車の旅の魔法でしょうか。



普段、車を利用することが多いのですが、
電車の旅も良いものだなぁと思いました。